いじめアンケートとは?正しい意味と限界|書く前に知る全体像

いじめアンケートとは?書く前に知っておきたい意味と限界

学校から配布される「いじめアンケート」。

●正直に書いていいのか

●書いたら学校は本当に動いてくれるのか

●何も起きなかったら意味がないのではないか

こうした不安を抱えながら、このページにたどり着いた方も多いと思います。

結論から言うと、いじめアンケートは重要な役割を持ちますが、万能ではありません

ただし、位置づけを正しく理解し、次につなげる前提で活用すれば、いじめ問題を「なかったこと」にさせないための第一歩になります。

この記事では、いじめアンケートの全体像と限界、そして「書いた後に、どう考え、どう備えるべきか」を整理して解説します。

いじめアンケートとは?学校が実施する本当の目的

いじめアンケートは多くの学校で定期的に実施されています。

ほとんどの学校で定期的にアンケートを実施しているようですが、多くは「いじめ在りき」で特定するためのものでは無く、クラスの状況を確認するための方法として留まっています。

文科省の考える目的

国や教育委員会の方針上、アンケートの目的は

1、いじめの早期発見

2、表面化していない問題の把握

3、再発防止

「いじめ防止対策推進法」に基づいて上記の3つになります。

さらにいじめ防止対策推進法第28条の「いじめ重大事態」に該当する場合には、いじめアンケート含む対応が義務化されるため、アンケートの扱われ方はより慎重な運用になります。

学校現場での実際の使われ方

一方、現場では

■回収して集計するだけ

■深刻度が高くないと判断されると保留

■「様子見」で終わる

といった運用になるケースも少なくありません。

「調査」であって「対応要請」ではない

国または教育委員会と学校との「いじめアンケート」の意義について上記の様に格差が存在しており、それぞれのアンケートに対する存在価値について把握しておかなければなりません。

つまり、いじめアンケートは「対応を求める文書」ではなく、「実態調査のみ」ということであり、この前提を知らずに「書いたのに何もしてくれない」と感じてしまう方が多いのが現実です。

なぜ、正直に書いても学校が動かないことがあるのか

「本当のことを書いたのに、何も起きなかった」という声は非常によく聞かれます。

主な理由は以下に挙げられるものが主流です。

【内容が抽象的な場合】

●つらい

●嫌なことをされた

●なんとなく怖い

といった表現だけでは、学校側が事実確認を進めにくくなります。

【事実確認ができない場合】

●誰が

●いつ

●どこで

●何をしたのか

これらの事実が不明確だと、「判断材料が不足している」と扱われがちです。

【単発で終わってしまう場合】

●追加の記録がない

●保護者からのフォローがない

アンケート提出後に上記のことがある場合、継続的な問題として扱われにくくなります。

いじめアンケートは証拠になる?ならない?

結論から言うと、アンケートだけで強い証拠になるケースは多くありません

あくまでも「いじめのアンケート」は全体の証拠を補完することはできますが、「証拠そのもの」と言えるほどの力はないという事です。

なので、アンケートだけ揃っていれば大丈夫ということではなく、その他「いじめを証明する事柄」が必要になります。

証拠として弱い理由

いじめのアンケートが証拠として弱い理由については、以下の通りです。

1、本人の申告ベースである(仕返しが怖いから)

2、内容が抽象的になりやすい

3、第三者性が弱い

いじめのアンケートで本当のことを書いてしまうと、その後で仕返しを受ける、もしくは自分もいじめの被害を受ける事を恐れて本当のことが書けないことが多いです。

併せて内容がぼんやりしやしく、抽象的な内容ではそれ以上の対応ができないケース、学校側の調査委員会のメンバーが学校側で決められる場合があることも関係があります。

記録として意味を持つケース

一方で、以下の場合には「いじめが存在している・起きている証拠」として認められる可能性が高くなります。

1、日時や内容が具体的

2、継続して記録が残っている

3、上記「2」と併せて他の資料と組み合わされている

このように状況や時系列が整理されている場合は、重要な資料の一部になります。

アンケートを書く前に必ず知っておきたい3つの前提

ここは特に大切なポイントで、ただの「調査」だけで終わらせずに「いじめへの対応」に進めるための前提を、ここでまとめていきます。

➀アンケートはゴールではない

アンケートは解決のための手段ではなく、記録のスタート地点です。

今まで説明してきた内容のように、対応を求める文書ではないため、対応を求めるためにどのようなことが起きているのか把握するためのもの、という認識を持つことが肝要です。

②書き方次第で意味が変わる

感情中心の記載と事実を整理した記載では、学校側の受け止め方が大きく変わります。

アンケートで感情中心にならないように、要点(いつ、誰が、どんな被害を受けているのか等)を詳しく記載するようにしましょう。

場合によっては「○×方式」「チェック方式」のアンケートもあると思います。

その方式の場合には空いている箇所に詳細を記載してもアンケートでは問題ありませんので、可能な限り記載して学校側に事実を伝えるようにしていきましょう。

また、アンケート調査を実施する場合には、学校に対してアンケートの設問を保護者側で設定できる場合もありますので、学校にアンケート実施前に相談する方法も有効な手段です。

③書いた後の「次の一手」が重要

ではアンケートを学校に提出しても何も起きなかった場合はどうするのか?

学校側で何もアクションが無かった場合には、その後の一手として

■どう記録を残すか

■どう意思表示をするか

を考えておく必要があります。

いじめのアンケート 子どもが書く場合/親が書く場合の考え方

もし、子ども本人がいじめのアンケートを書く場合には、上記にまとめたように要点(いつ、誰が、どんな被害を受けているのか等)を詳しく書くようにしてください。

無理に本人に書かせなくていいケース

いじめの状況が酷い場合(長期不登校や暴力などが絡んでいるケース等)、

○精神的な負担が大きい

○事実を整理して書くのが難しい

こうした場合なら、無理に本人に書かせると精神的なダメージが深くなる可能性が高いので、保護者が代わりに記載する、もしくは現状を伝えた上で「書けない」旨を学校に伝えるようにしてください。

ただ、他の手段で「いじめが深刻化していること」を学校その他の機関に詳細を伝える必要があります。

親が関与する際の注意点

現在の子どもの状況を考えると、どうしても相手側に制裁を求める内容を記載してしまうことがあると思いますが、

1、感情を代弁しすぎない

2、過度の推測や断定を避ける

上記の注意事項に気を付けて、あくまで「事実の整理」に徹するようにしてください。

いじめアンケート提出後、学校では何が行われる?

学校にいじめのアンケートが提出されると、一般的には以下の流れになることが多いです。

学校に提出された後の流れ

1、担任が内容を確認

2、必要に応じて管理職へ共有

3、校内での検討・情報収集

特に、担任が内容を確認してそこで止まる事が少なからずありますので、アンケートを提出してから何も対応が進まなかった場合には、アンケートを記載した日もしくは提出した日を控えるようにしてください。

管理職・委員会の関与

いじめのアンケートの内容によっては、その他の先生や機関に対して共有されて対応の検討へ進みます。

1、学年会

2、生徒指導担当

3、いじめ対策委員会

上記の先生や機関が関わることもありますので、アンケートの内容については分かりやすく具体的に記載するようにしましょう。

対応がされない・連絡が来ない場合

いじめのアンケートを送付しても何も変わらない、連絡がないからといって必ずしも「見ていない」とは限りませんが、対応が先送りされている可能性もあります。

いじめアンケートだけで解決しない場合の次の対応として、

1、アンケートを出した日時を控えておく

2、いじめの時系列を記したメモ

3、学校に相談した「やり取りの記録」

上記の記録をまとめて「正式に対応を求める書面」を提出する事を視野に入れて対応を検討する必要があります。

要望書という選択肢

上記で説明したように、口頭ではなく文書で学校に対応を求める方法もあります。

文書で意思表示する意味として、文書は「内容が残る」「受け取った事実が明確」「学校側も軽く扱いにくい」という特徴があります。

アンケートだけでは状況が変わらない場合に、次の選択肢として検討されるのが「要望書」です。要望書の基本的な考え方と書き方は「こちら」で解説しています。

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学校生活の中で起こる「いじめ」は学校も対応できず、対応が遅れ取り返しの付かない事態に発展する事がほとんどです。「書面」という形に残す事で積極的に学校に対応を求め、事実を明るみにする事が可能です。 また、書面で学校に要望する事で「対応を求めた経緯」が事実として残るので、学校の「いじめとは認識していない」という言い訳も防ぐ事ができます。

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