いじめアンケート提出後の流れ|学校は何をする?連絡がないときの対処法

目次

いじめアンケート提出後、学校は何をする?(基本の流れ)

いじめアンケートを提出すると、多くの場合で学校はすぐに「いじめ認定」をする訳ではありません。

多くの場合、次のような順番で動きます。

① 担任・学年主任が内容を確認する

アンケートはまず、担任や学年主任が目を通します。

ここで重要なのは、学校側が

1、重大性が高いか

2、すぐに安全配慮が必要か

3、誰に聞き取りをするべきか

を判断する材料にするという点です。

② 子ども本人への聞き取りが行われる

アンケートの内容が具体的であればあるほど、学校は聞き取りをしやすくなります。

逆に「いじめがある」「つらい」だけだと、内容が抽象的で「いじめの深度・解像度」が低く、学校は動きづらいこともあります。

③ 加害側(疑いのある児童生徒)への聞き取り

学校は基本的に、加害側の児童生徒または関係児童生徒に確認をします。

ただし現実にはそのほとんどが、

1、本人が否定する

2、周囲が「見ていない」と言う

3、先生が慎重になりすぎる(判断材料が少なくて)

などの理由で、対応が遅れることもあります。

④ 周囲の児童生徒(目撃者)への聞き取り

いじめの実態は「本人同士」よりも、周囲が知っていることが多いです。

ただ、自分(他の生徒)が先生に報告すると「チクった」とされてターゲットになるリスクが高いので、言いたくても言えない可能性もあります。

アンケートに

●「○○さんが見ていた」「△△が近くにいた」(例えばトイレとか特定の部屋などでいじめがあった時)

●「別クラスの子が見てた」(放課後など他のクラスの友達が目撃している場合も考えられる)

などが書けていると、学校が対応しやすくなる可能性があります。

⑤ 保護者への連絡・面談(または経過報告)

実務上よく聞く内容として、学校は状況を整理した後に保護者へ

●事実確認の結果(アンケートの結果)

●今後の対応(学校の対応を明示した上で、保護者の希望を確認するなど)

●子どもの安全配慮(不登校)

などを説明することが多いです。

特に不登校の状況が続いている場合、中学校の高校受験シーズンや高校生がいじめの被害を受けているなど「出席認定・単位」が絡むため、上記3つの内容の中でも「子どもの安全配慮」を最優先するなどの優先順位を検討する必要があります。

提出後、学校から連絡がないのはなぜ?よくある理由

「アンケートを出したのに学校から何も連絡がない」、これは実務上かなり多いです。

ただ、必ずしも「握りつぶされた」とは限りません。

よくある理由は次のとおりです。

① すぐに動いているが、調査中で連絡できない

学校は「裏取り」をしないと動けないため、調査に時間がかかることがあります。

不確定な情報を共有すると、かえって問題が深刻化する場合もあります。

なので、調査中もしくは確定できる内容になるまで連絡を控えている可能性が非常に高いです。

② 担任で止まっている(共有されていない)

残念ながら、担任が

■忙しすぎる

■深刻に捉えていない(新任の場合など経験が浅い場合)

■学年主任に上げていない

というケースもあります。

このような状況にならないためにも、アンケートを提出する前に内容自体をチェック(いじめの内容を細かく書いているのか、事実ベースで分かりやすく書いているのか、感情ありきで書いていないか等)するように徹底しましょう。

③ 「いじめ」と認識せず、様子見で終わっている

学校が動かないケースで一番多いのがこれです。

1、子ども同士のトラブル

2、些細なこと

3、どこにでもあること

として処理されてしまうと、対応が進みにくくなります。

正直、担任の先生や学年主任の先生がいじめに対してどのように考えているのか、予め把握することは事実上難しいと思います。

なので、普段の先生の様子などを子どもからヒアリングしておく、近所の方で同じ学校に通っていた方(先輩)がいるのであれば評判を聞いておくのも方法の一つです。

④ 学校が慎重になりすぎている

学校は「加害者扱い」に敏感です。

そのため、明確な証拠がない場合ほど慎重になり、結果として動きが遅くなることがあります。

あくまでもアンケートは「事実を伝えるツール」のため、制裁目的でアンケートに内容を記載すると、かえって対応が遅くなる可能性があります。

前述したように、感情的に書かずに事実ベースでアンケートの内容に回答するようにしてください。

目安はいつ?アンケート提出後に待つべき期間

アンケート提出後、学校からの連絡を待つ目安は1週間または10日程度が現実的です(あくまでも目安)。

ただし以下の場合は、待たずに動いて大丈夫です。

すぐに動くべきケース(緊急)

1、暴力がある

2、自殺をほのめかす

3、長期にわたり不登校になっている

4、SNSで拡散・晒しがある(特に不特定多数に送信してしまっている場合)

5、体調不良(嘔吐・めまい等)が出ている

上記の場合は「いじめ重大事態」に該当している可能性が高いので、アンケートよりも先に学校へ早急に連絡し安全配慮を求めるべきです。

アンケート提出後に親がやるべきこと(最重要)

アンケートを出した後は、「学校が動くかどうか」だけを待つのではなく、保護者側も次の準備をしておくことが重要です。

① アンケートの控えを保存する(写真・PDF)

これは前の記事と重なりますが、アンケートは

●いつ学校に伝えたか

●どんな内容で伝えたか

を示す「公式記録」になるためです。

また、学校にアンケートを送付するとほとんどの場合は手元には帰ってこないので、どんなことを書いたのかを知る方法がなくなります。

なので、アンケートを学校に送付・提出する前には、その控えを写真ないしPDFで残しておくようにしてください。

② 子どもの状況を時系列でメモする

アンケートは記載スペースが少ないので、後から補足資料が必要になります。

また、アンケートを学校に送付した後は期間が空くこともありますので、その間のいじめ被害の状況をメモで控えることも必要です。

控ておくべき項目として、以下の4つを例として挙げさせて頂きます。

1、日付

2、起きたこと

3、子どもの反応

4、家庭での変化

上記を具体的に記録として残し、相手側の様子なども分かるのであれば、併せて控えるようにしてください。

【※相手側の様子の具体例】

■授業中でも消しゴムのカスを投げてくる

■○○(被害生徒)の友達を囲うように○○から引き離す行動をしてくる

■廊下ですれ違う際に「死ね」と言ってくる、肩をぶつけてくる

■アンケートに何て書いたのかをしつこく聞いてくる

③ 学校とのやり取りを「記録が残る形」にする

口頭だけで進めると、後から「言った」「聞いてない」になりやすいです。

実際にあった相談の中でも、話し合いのみで進めていたケースで校内で情報共有がされておらず、最終的にいじめと認められない状況で転校してしまった事案があります。

※特に人事異動で新しい校長や先生が着任する時期(3月~4月あたり)や新学年がスタートする時(クラス替え)は注意が必要です。

可能なら「メール」「連絡帳」「面談メモ」など、記録が残る形を意識しましょう。

④ 必要なら医療機関を受診する

特にいじめの被害が重篤化している場合、心身に影響が出ることは当たり前のようにあります。

そんな場合は診断書があることで、

●学校が重大性を理解しやすくなる

●教育委員会に説明しやすくなる

●後の証拠としても補強できる

という効果があります。

アンケート提出後に紹介していますが、個別事案によって深刻度は変わりますので、必要な場合にはアンケートに提出前に医療機関に診断を受ける事も検討してください。

学校が動かないときの対処法(段階別)

ある程度、アンケートを学校に提出してから期間を待っても何も連絡や進展がない場合、次の手段に進む必要があります。

① まずは担任に面談を申し入れる

連絡がない場合は、まず担任に「アンケートを提出したが、状況確認と今後の対応について面談したい」と面談の申し込みをしましょう。

面談の申し込みのポイントは、アンケートに書く内容と同じで「感情より事実」「期限を決める(例:今週中に)」と具体的な内容を踏まえて申し込みをするようにしてください。

② 学年主任・教頭に情報を上げてもらう

場合によって、担任だけで進まない場合や担任の対応で悪化してしまう可能性があります。

そのような状況であれば、学年主任や教頭に情報を共有してもらう、もしくは情報を共有するために書面で再度申し込みをするのが現実的です。

③ 要望書で「学校としての対応」を正式に求める

前述の「➁学年主任・教頭に情報を上げてもらう」で説明したように、口頭で進まない場合に取るべき手段は「要望書で正式に申し込み」を行う方法です。

要望書は、

1、学校が把握しているか

2、どんな対応を求めるのか

3、いつまでにその対応をやるのか

を「書面」で整理して、対応を促す方法です。

正式に申し込まれた要望書は学校内部で保管するものとして、いじめ対応では重要な書面になります。

※要望書の書き方や実例は、要望書【完全解説】でまとめています。

④ 教育委員会に相談する(学校外ルート)

学校が動かない場合、次に実施する対応として教育委員会に相談するという方法があります。

教育委員会は学校事故や深刻な生徒指導上の問題に対し、職員の派遣や外部の専門スタッフ(スクールカウンセラー等)と連携し、学校の対応を支援する事ができますので、そこに相談することで状況が変わることがあります。

この時、これらの状況を説明できるものがあれば、より詳細な状況を教育委員会に説明することができますので、

◆アンケートの控え

◆学校の対応状況(連絡がない、いじめと認めていない、対応が進まない等)

◆時系列メモ

これらを予め手元に集めておきましょう。

⑤ 内容証明郵便で通知する(記録を残す)

さらにいじめの被害が深刻なケースや学校が「様子見」で放置している場合は、最終手段として内容証明郵便も検討します。

内容証明は、「いつ」「何を伝えたか」を郵便局が証明する制度であり、学校側の対応を促す強い手段になります。

どんなことを記載すれば良いのか、具体的な内容については要望書と共通している部分がありますが、郵便局(外部機関)がどんな内容を相手に伝えたのかを証明してくれる制度なので、「知らない・聞いてない」という理屈が効かずに対応が進むケースが多いです。

※内容証明については、内容証明【徹底解説・テンプレ付き】でまとめています。

よくある質問(Q&A)

Q1. アンケートを書いた後、学校は必ず調査してくれますか?

学校によって対応の差はありますが、アンケートに具体的な内容が書かれていれば、多くの場合は何らかの確認が行われるケースが多いです。

ただし、現実には「様子見」で終わるケースもあるため、連絡がない場合は保護者側から面談を申し入れるのが安全です。

Q2. アンケートの内容が軽く書かれてしまいました。やり直せますか?

アンケートの提出後でも、面談・要望書・教育委員会相談などで状況を補足することは可能です。

重要なのは、次に出す書面では「時系列+具体例」を整理することです。

そのためにも、アンケートを提出した後でも事実を記録するようにしてください。

Q3. 学校に握りつぶされる可能性はありますか?

学校に握りつぶされるという言い方に語弊があるかもしれませんが、アンケートの内容が抽象的で証拠と言える内容が見つからなければ「本当に見つからなかった」ということで可能性がゼロとは言い切れません。

ただし、控えを残しておけば

○学校に伝えた証拠

○学校が動かなかった事実

が残りますので、「次の一手」につなげることができます。

Q4. アンケートに「いじめ」と書いたら、子どもが不利になりませんか?

基本的に、アンケートに「いじめ」と書いたことで子どもが不利になることはありません。

むしろ学校側が重大性を把握するきっかけになります。

ただし、学校の対応が不十分な場合に備えて、アンケートの控えは必ず保存しておくことが大切です。

Q5. アンケート提出後、加害側の親に連絡は行きますか?

学校が「いじめの可能性が高い」と判断した場合、加害側の保護者へ連絡が入ることが多いです。

ただし、学校によっては

○調査が終わってから連絡する

○まず本人同士の聞き取りだけで進める

○トラブル拡大を恐れて慎重になる

など、各学校によってタイミングに差があります。

Q6. アンケート提出後、学校が「双方に聞いたが、いじめは確認できない」と言ってきました。どうすればいい?

実際に相談が来る案件で、このパターンは非常に多いです。

仮にアンケートに詳細を記載したとしても、このパターンになる可能性があります。

その場合は「いじめ認定」よりも先に、

○安全配慮(席替え・別室対応など)

○予め揃えてきた関係資料(時系列や被害状況など)を踏まえての具体的対応

を求める方向を検討していきましょう。

口頭で進まない場合は、要望書で学校の対応を整理ないし教育委員会への対応を検討していくのも方法の一つです。

Q7. アンケート提出後、担任が「大げさ」「考えすぎ」と言ってきました。どう対応する?

この場合、担任だけで解決しようとすると長期化しやすいです。

仮にこの担任の場合でいじめを認めたとしても、担任のところで話を止める可能性が高いです。

感情的に反論するよりも、

○具体的な事実(いつ・どこで・何があったか)

○子どもの変化(不登校、体調不良など)

○こちらが求める対応(安全配慮・聞き取り等)

を整理して、学年主任や教頭へ情報共有すること(要望書での対応)が現実的です。

Q8. アンケートを提出したのに、席替えや見守りなどの対応がされません。どうしたらいい?

学校が「事実確認中」と言って対応が遅れる、もしくは学校が事実確認しても確認できなかったというケースはあります。

しかし、いじめ対応では本来、事実確認と安全確保は同時に進めるべきであり、どちらか片方から進めなきゃいけない訳ではないです。

まずは、「調査とは別に、子どもの安全確保を先にお願いしたい」と面談ないし書面で学校もしくは教育委員会への通知を検討し、期日を定めて対応を申し立てしていきましょう。

Q9. アンケートを提出した後、子どもがさらにいじめられることはありますか?

残念ながら、学校の対応が不十分だと

●「先生に言っただろ」

●「チクった」

●無視が強まる

など、二次被害が起きることがあります。

そのため、この状況を防ぐ対応として、アンケート提出後は学校に「加害側への指導」だけでなく、見守りや安全配慮もセットで求めることが大切です。

Q10. アンケート提出後、教育委員会に相談してもいいですか?学校にバレますか?

教育委員会への相談は可能です。

ただし、相談内容によっては学校へ確認が入ることがあるため、結果として学校に伝わる可能性はあります。

そのため、相談前に

●アンケートの控え

●学校とのやり取り

●時系列メモ

を整理しておくと、教育委員会との話し合いがスムーズになります。

教育委員会へ相談する場合は、学校とのやり取り(連絡がない、対応が進まない等)が分かる資料を整理しておくと、状況を理解してもらいやすくなります。

まとめ|アンケート提出後は「待つ」から「次の準備へ」が重要

いじめアンケートは提出した時点で、「学校に伝えた記録」「学校が把握したはずの資料」として証拠になり得ます。

ただし、提出後に学校が動かないことも多いため、次の準備をしておくことが大切です。

【アンケート提出後のやる事チェックリスト】
□ まずは控えを保存

□ 1週間から10日程度で連絡がなければ面談
□ 口頭で進まなければ要望書
□ 学校外ルート(教育委員会)も検討
□ 深刻なら内容証明で記録を残す

このチェックリストを参考にアンケート提出後の行動を計画してみてください。

次の行動に迷っているなら

いじめアンケートを提出した後に学校が動かない状況が続くと、不安で冷静な判断ができなくなることがあります。

ひまわり行政書士事務所では、いじめ問題の相談を多数受けてきた実績をもとに、状況に応じた「書面整理」や「次の一手」のアドバイスも行っています。

状況整理からでも相談は受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。

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学校生活の中で起こる「いじめ」は学校も対応できず、対応が遅れ取り返しの付かない事態に発展する事がほとんどです。「書面」という形に残す事で積極的に学校に対応を求め、事実を明るみにする事が可能です。 また、書面で学校に要望する事で「対応を求めた経緯」が事実として残るので、学校の「いじめとは認識していない」という言い訳も防ぐ事ができます。

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