教育委員会宛ての内容証明とは?学校のいじめが改善しない場合の正しい手順と文例【行政書士解説】

目次

教育委員会宛ての内容証明とは?学校いじめで使われる理由

学校に何度も相談しても対応が変わらず、「このままでは学校内部だけでは限界ではないか」と感じている保護者の方も少なくなく、実際に「教育委員会 内容証明」「いじめ 教育委員会 送るべきか」と検索されるケースも増えています。

結論、学校で起きたいじめに対して教育委員会宛てに内容証明郵便を送ることは可能です。

教育委員会は、学校を所管・監督する立場にあり、校長や学校現場だけでは対応が進まない場合に、第三者的な立場から是正を促す役割を担います。

内容証明郵便は、いじめ行為を直ちに止める強制力を持つものではありませんが、

1、学校の対応が不十分であること

2、いじめの存在を教育委員会に正式に通知したこと

3、いつ、どのような是正を求めたのか

上記3つのポイントを客観的な記録として残す手段として、実務上広く用いられています。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の事案に対する法的判断ではありません。具体的な対応については専門家にご相談ください。

教育委員会宛てに内容証明を送る主な目的と効果

教育委員会宛ての内容証明には、学校で起きたいじめに対して明確な目的があります。

学校対応が不十分であることを正式に共有する

学校に相談しても調査が進まない、説明がない、対応が後手に回っている。こうした状況は、教育委員会に共有されていないケースが非常に多いのが実情です。

内容証明を送ることで、「学校が把握していたかどうか」ではなく「教育委員会がいつから問題を認識したか」を明確にできます。

教育委員会による是正・指導を促す

教育委員会は、学校に対して

1、事実確認の指示

2、指導・助言

3、再発防止策の検討

などを行う立場にあります。

教育委員会宛ての内容証明は、学校対応を一段階引き上げるためのきっかけになることが多く、実際の相談現場でも「動きが出た」というケースは少なくありません。

後の法的対応に備えた証拠を残す

いじめ問題では後に、

1、学校・自治体の責任

2、対応の遅れ

3、安全配慮義務違反

が争点になることがあります。

教育委員会宛て内容証明は、「是正を求めたにもかかわらず改善されなかった」ことを示す重要資料となります。

校長宛てと教育委員会宛ての違いと使い分け

校長宛ての内容証明も教育委員会宛ての内容証明も、目的は「学校で起きたいじめ」に対する対応の是正や事実確認の実施を求める内容になります。

その中でも、両者の違いを以下の2つにまとめて、使い分けられるようにまとめてみました。

まずは校長宛て内容証明の目的や書き方を理解しておくと、流れがより分かりやすくなります。
校長宛て内容証明の書き方・文例はこちら

原則は「まず校長宛て」

実務上、いじめ対応は学校内部での解決を前提とするため、最初の通知先は校長宛てとするのが一般的です。

いきなり教育委員会宛てに送っても、学校との関係が硬直するケースもあるので注意が必要です。

教育委員会宛ては「改善が見られない場合の次段階」

次のような場合には、教育委員会宛ての内容証明を検討します。

1、校長宛て内容証明を送ったが対応が変わらない

2、調査が形だけで実質的に進んでいない

3、いじめが継続・悪化している

4、不登校・精神的被害が生じている

校長宛て→教育委員会宛てという段階的対応は、後の判断においても合理的と評価されやすい流れです。

例外的に同時送付が必要なケース

学校で起きたいじめに関して以下のような場合には、校長宛てと教育委員会宛てを同時に送付することもあります。

1、重大事態(自殺未遂・長期不登校・重い精神的被害など)

2、明らかな対応放置が続いている

3、身体的暴力が発生している

上記の内容については、いじめの中でも特に重篤な状況(いじめ重大事態)に該当する為、緊急性が高い事案になります。

状況によって判断が分かれるため、慎重な検討が必要です。

教育委員会宛てだけでなく、校長宛ての内容証明の役割や注意点も確認しておくと安心です。
校長宛て 内容証明 完全解説はこちら

教育委員会宛て内容証明の基本構成と書き方

では実際に教育委員会宛ての内容証明に関して、何を記載すれば良いのかポイントをまとめていきます。

記載すべき基本項目

教育委員会宛ての内容証明には、次の項目を整理して記載します。

1、宛先(教育委員会名・担当課)

2、いじめの具体的事実(いつ・どこで・どんな内容か)

3、学校への相談経緯と対応状況

4、学校対応が不十分である理由

5、教育委員会に求める対応

6、回答期限

特に重要なのは、「学校が何をしていないのか(上記3番と4番に該当する事)」を事実ベースで詳細に示すことです。

例えば、学校との話し合いをする予定を計画していたのにも関わらず、実際の日時になった時に話し合いがなされなかった場合や、子供がいじめられている場面があったら先生が声をかけてあげる事を約束していたのに、実際には声掛けがされなかった事など、細かい事でも書き記す様にしましょう。

学校批判ではなく「是正要請」に留める

教育委員会宛ての内容証明は、感情的な学校批判や責任追及を目的とするものではありません。

1、調査が行われていない

2、説明がなされていない

3、安全配慮が不十分

上記の内容を、冷静かつ具体的に整理して伝えることが重要です。

教育委員会宛て 内容証明の文例(基本パターン)

ここに参考例として、教育委員会宛てに内容証明を送付する場合の文例を記載しますので、Wordなどで作成する場合にはコピー&ペーストで活用できます。

(※あくまでも参考例であり、事案によっては記載内容や表現の調整が必要になります。実際に使用する際は専門家へご相談ください)

(題名)いじめ問題に関する是正要請書(中央揃え)

受取人

〇〇県(市町村)教育委員会 〇〇課(もしくは教育長 ○○ 様) 御中

差出人

住所

氏名(児童生徒〇年〇組〇〇の保護者)

貴教育委員会が所管する〇〇学校に在籍する生徒〇年〇組〇〇につき、令和〇年〇月頃より、継続的ないじめ行為(具体的内容・日時)が確認されております。

これまで学校(担任教諭・校長等)に対し相談を行ってまいりましたが、十分な事実確認や是正対応が行われておらず、いじめ(詳細にまとめる、日時も)は現在も継続しております。(※どんな対応をされるべきなのにされなかったのか、どんな事を約束したのに対応がされなかったのかを詳細にまとめる)

このような状況を踏まえ、第三者的立場にある貴教育委員会において、当該事案の調査および学校に対する適切な指導・是正対応を求めるものです。

本書面到達後〇日以内に、調査状況および今後の対応について書面でのご回答をお願い致します。

以上

教育委員会宛て内容証明を送る際の注意点(行政書士視点)

ここでは、実務上注意したいポイントを簡潔にまとめてすぐに使える様に説明しています。

ただ、学校で起きたいじめに対して学校がどの様なスタンスなのか、教育委員会に対してケースバイケースで要求する必要があります。

学校を飛び越えた「感情的通報」にしない

教育委員会宛て内容証明は、「学校が何もしてくれない」という怒りをぶつける文書ではありません。

感情的な表現が強い場合、教育委員会内部でも「事実確認が困難な案件」として扱われることがあります。

どの様ないじめがあって、学校はどの様に対応するべきだったのかをまとめ、学校対応が不十分である事実を整理し、是正を求める書面に留めます。

事実関係を裏付ける資料を整理しておく

学校のいじめへの対応について、不当なものである事を予め証明できる様にしておく必要があります。

1、相談日時のメモ

2、メールや連絡帳

3、面談記録

後に事実関係が争われた場合、記載内容を裏付ける資料が重要になります。

要求内容は合理的範囲に留める

教育委員会に求める内容は、前述の通り「学校の対応に関する是正対応」に留める必要があります。

1、調査の実施

2、学校への指導

3、再発防止策の検討

上記の具体例の様に実現可能な範囲に留めることが実務上有効です。

教育委員会宛て内容証明を送った後の流れ

教育委員会宛てに内容証明を送付した後、対応の流れとして以下の流れが多く見られるケースです。

教育委員会からの回答

書面または電話で連絡が入り、学校への聞き取りや調査が開始されるケースが多く見られます。

どの先生に最初に相談したのか、校長や教頭には相談しているのか、保護者から先に聞き取りが行われる場合もあります。

学校への指導・再説明

上記の聞き取りや調査が実施された後、教育委員会から学校へ指示が入り、改めて面談や説明の場が設けられることがあります。

あらためて面談や説明が実施される場合には、担当者や話し合いの内容を記録しておく様にしましょう。

改善が見られない場合の次の選択肢

教育委員会によっては改善が見られない場合も見受けられます。

その様な場合には、以下の内容を検討する必要があります。

1、再度の内容証明

2、弁護士への相談

3、重大事態としての申立て

状況に応じて、教育委員会に再度申し立てを実施するか、学校の対応に関して弁護士に相談するか、法的対応を検討するレベルで対応を急ぐ必要があります。

教育委員会宛て 内容証明に関するFAQ

教育委員会宛ての内容証明に関して、よくある質問を以下にまとめましたので、参考にして頂ければ幸いです。

教育委員会宛ての内容証明は、学校で起きたいじめへの対応でも「次の段階」に位置づけられる手段です。
校長宛て・相手保護者宛てとの使い分けや、内容証明全体の流れについては「いじめに関する内容証明の総合解説」で整理しています。

教育委員会に送ると学校から不利に扱われますか?

学校で起きたいじめについての正当な是正要請であれば、不利に扱われることはありません。

教育委員会宛ての内容証明は、学校を「攻撃」するためのものではなく、事実関係と要望を正式に共有するための手段です。

感情的な表現や断定的な責任追及を避け、これまでの経緯と改善を求める要望を客観的に記載すれば、学校との関係が直ちに悪化するとは限りません。

むしろ、教育委員会が状況を把握することで、学校側が組織として対応を見直すきっかけになるケースもあります。

記載内容によって印象は大きく変わるため、不安がある場合は行政書士などの専門家に相談したうえで作成することが重要です。

校長宛てを省略してもいいですか?

原則は校長宛て→教育委員会宛てが望ましいですが、緊急性が高い場合は同時送付も検討されます。

あくまでも学校で起きたいじめに関しては学校が対応に入るので、校長宛ての内容証明を省略したとしても実質的な対応を求める事とは目的が変わってしまう可能性があります。

判断に迷う場合は、校長宛て・教育委員会宛てのどちらを優先すべきかを専門家に相談した上で進めると、後のトラブルを防ぎやすくなります。

教育委員会宛ての内容証明の作成を行政書士に依頼できますか?

文書作成・リスク整理(内容証明の文章で脅迫的な内容はないか、事実とは違う内容になっていないか等のチェック)は行政書士の業務範囲です。紛争性が高い場合(いじめで重傷を負っている場合やいじめを受けて学校を辞めている場合(高校の場合))は弁護士をお勧めします。

教育委員会宛ての内容証明を送れば、必ず調査や指導が行われますか?

内容証明を送ったからといって、必ずしも直ちに調査や指導が行われるとは限りません。

ただし、内容証明郵便は「いつ・誰が・どのような要望をしたか」を公的に残す手段であり、教育委員会にとっても無視しづらい文書となります。

特に、学校への相談履歴や具体的ないじめの内容、保護者として求める対応が整理されている場合、教育委員会内部での共有や検討が行われる可能性は高まります。

形式だけでなく、内容の整理と表現が重要なポイントになります。

自分で作成すべきか、専門家に任せるべきか迷ったら

教育委員会宛ての内容証明は、書き方次第で状況を前に進めることも、こじらせることもあります。

●表現が適切か不安

●校長宛てと併用すべきか迷っている

●どこまで書くべきか分からない

こうした場合は、事案整理の段階から専門家に相談することをおすすめします。

ひまわり行政書士事務所ではいじめに関する相談(年間3~400件)や書面作成(年間100件前後)を行っている実績を基に、いじめの被害状況に合わせた内容証明を作成致します。

また、事案ごとに適切な表現や進め方は異なりますので、まずは状況整理から一緒に行うことも可能です。

上記の様な疑問や不安などあれば、作成した内容証明のチェックも行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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学校生活の中で起こる「いじめ」は学校も対応できず、対応が遅れ取り返しの付かない事態に発展する事がほとんどです。「書面」という形に残す事で積極的に学校に対応を求め、事実を明るみにする事が可能です。 また、書面で学校に要望する事で「対応を求めた経緯」が事実として残るので、学校の「いじめとは認識していない」という言い訳も防ぐ事ができます。

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