いじめ問題では、状況を説明できる記録や資料を残しておくことがとても重要です。
学校へ相談する場合でも、
「事実関係が確認できない」
「子ども同士のトラブルかもしれない」
と判断され、すぐに対応してもらえないケースがあります。
しかし、いじめの状況を示す記録や資料があれば、学校や関係機関に状況を説明する際の参考資料として役立つことがあります。
そのため、いじめが疑われる場合は、できるだけ早い段階から記録を残しておくことが大切です。
いじめの証拠として参考になるもの
いじめの状況を説明する資料として、次のようなものが役立つ場合があります。
今現在、いじめの証拠が手元にない場合でも、できるだけ状況を示せるように形にするようにしましょう。
日記やメモ(いじめの記録)
もっとも基本的な方法は、いじめの記録を残すことです。
次のような内容をできるだけ具体的に記録しておきましょう。
- いつ(日時)
- どこで
- 誰から
- どのようなことをされたか
- 周りにいた人
4月12日
昼休みに教室でAから「○○」と言われた。
近くにBとCがいた。
このような記録を継続して残しておくことで、いじめの経緯を整理する資料として役立つことがあります。
LINEやSNSのスクリーンショット
最近では、SNSやメッセージアプリを使ったいじめも見られます。
例えば
- 悪口を書き込まれる
- グループから外される
- 誹謗中傷を送られる
などです。
このような場合は、画面をスクリーンショットで保存しておくことが有効になります。
保存する際は
- 相手の名前(アカウント)
- 日付
- 時刻
が確認できる状態で残しておくと、後から状況を説明しやすくなります。
また、SNSでの誹謗中傷が自傷行為にまで発展する緊急を要するケースも少なくありません。
そのような状況の場合には、警察庁が公表している対応マップがありますので、こちらを参考にしながら関係機関への相談を早急に進めてください。
音声の録音
暴言やからかいなどがある場合は、音声の記録が残ることもあります。
録音データは、状況を説明する際の資料として利用されることもあります。
ただし、録音の方法や利用の仕方については状況によって異なるため、慎重に取り扱うことが大切です。
写真や動画
次のようなものは、写真で残しておくことも考えられます。
- ケガ
- 破損した持ち物
- 落書き
- 壊された教科書
写真は、できるだけ発生した時点で撮影しておくと状況を記録しやすくなります。
医療機関の診断書
暴力や精神的な負担が疑われる場合には、医療機関を受診するケースもあります。
その際の診断書は、状況を説明する資料として利用されることがあり、いじめの被害と診断書の結果について因果関係があれば、「いじめがあったことで症状がでた」という流れが認められる可能性があります。
できるだけ診断を早めに受けて、詳細を医師に話して診断書を取得するようにしましょう。
いじめの記録を残すときのポイント
いじめの記録を残すときは、次の点を意識すると整理しやすくなります。
できるだけ早く記録する
時間が経つと、細かい内容を忘れてしまうことがあります。
そのため、出来事があったらできるだけ早く記録することが大切です。
複数の資料を残しておく
記録は、1つだけでなく複数ある方が状況を整理しやすくなります。
例えば
- 日記
- SNSの記録
- 写真
- メモ
などを組み合わせて残しておくと、出来事の経緯が分かりやすくなります。
学校とのやり取りも記録する
学校へ相談した場合は、その内容も記録しておくと整理に役立ちます。
例えば
- 相談した日時
- 相談した相手
- どのような話をしたか
などです。
こうした記録は、後から状況を振り返る際の参考になることがあります。
こちらの内容もできるだけ早い時期に記録しておくようにして、事実関係を詳細に残すようにしていきましょう。
学校がいじめを認めない理由
いじめについて学校へ相談しても、すぐに「いじめ」と認めてもらえないケースがあり、これは学校が意図的に対応を避けているとは限らず、いくつかの理由があると考えられます。
主な理由としては次のようなものがあります。
事実関係の確認が難しい
いじめは教室や休み時間など、教師がいない場面で起こることも多いため、学校側が状況をすぐに把握できないことがあります。
また、加害とされる側の児童生徒が「そのようなことはしていない」と話す場合もあり、事実確認に時間がかかることがあります。
子ども同士のトラブルとして扱われる場合
いじめかどうかの判断が難しい場合、学校が「子ども同士のトラブル」として対応するケースもあり、学校がいじめが起きているのにも関わらず「子ども同士のトラブル」と判断するケースが少なくありません。
本来、いじめ防止対策推進法では、
と定義されており、学校がいじめの有無を判断したとしても、被害生徒が判断する(それを証明するものを手元に残しておく)ことが必要であり、継続的な嫌がらせや精神的な負担がある場合は、いじめとして対応が必要な可能性もあります。
証拠や記録が少ない
いじめの状況を示す資料が少ない場合、少なからず学校側が事実関係を整理しにくいことがあります。
そのため、前の章で説明したように
- 日記
- SNSの記録
- 写真
- メモ
などを複合的に残しておくことが、状況を説明する際の参考になることがあります。
学校がいじめに対応しないときの相談先
学校に相談しても状況が改善しない場合、別の機関へ相談することも検討できます。
主な相談先には次のようなものがあります。
教育委員会
学校を管理している機関として、教育委員会があります。
学校との話し合いだけで解決が難しい場合には、教育委員会へ相談することで、状況の確認が行われることがあります。
いじめ相談窓口
自治体によっては、いじめに関する相談窓口が設置されています。
例えば
- 教育相談センター
- いじめ相談窓口
- 子ども相談窓口
などです。
匿名で相談できる場合もあります。
公的な相談機関
いじめに関する相談は、次のような機関でも受け付けています。
状況によっては、こうした機関に相談することで解決のきっかけになることがあります。
教育委員会へ相談する方法
教育委員会へ相談する場合、次のような方法があります。
電話相談
多くの教育委員会では、電話による相談窓口を設けています。
まずは電話で状況を説明し、相談方法を確認することができます。
電話相談の場合でも、予めいじめの状況や学校に相談している状況(どんな感じで対応に学校が臨んでいるのかなど)をまとめておいて相談した方が良いです。
書面による相談
相談内容を整理するために、書面で相談する方法もあります。
例えば
- いじめの状況
- いつから続いているか
- 学校へ相談した内容
などをまとめて提出することで、状況を説明しやすくなることがあります。
学校へ提出する相談文の書き方
学校へいじめについて相談する場合、口頭だけでなく書面で相談内容を整理する方法もあります。
相談文を書く際は、次の内容を整理すると分かりやすくなります。
1 いじめの状況
いつから始まったか、どのような内容か
2 これまでの経緯
学校へ相談した日時、担任や学校の対応
3 希望する対応
例えば、事実関係の確認、状況の改善、再発防止の対応
などを記載します。
書面で整理しておくことで、学校側と状況を共有しやすくなることがあります。
いじめの証拠がない場合はどうすればいい?
いじめについて学校へ相談したいと思っても、「証拠がないから相談できないのではないか」と不安に感じる方もいます。
しかし、証拠がなくても相談することは可能です。
まずは状況を整理し、少しずつ記録を残していくことが大切です。
できるだけ早く記録を残す
いじめの証拠がない場合でも、まずは出来事を記録することから始めましょう。
例えば
- いつ
- どこで
- 誰から
- どのようなことをされたか
などをメモに残しておきます。
時間が経つと記憶があいまいになることがあるため、できるだけ早く記録しておくことが重要です。
周囲の人の話を整理する
いじめの状況は、周囲の人が見ている場合もあります。
例えば
- 同級生
- 友人(他のクラスの友達でも大丈夫)
- 部活動の仲間
などです。
こうした人の話が、状況を整理する際の参考になることがあります。
SNSやメッセージの記録を確認する
いじめがSNSやメッセージアプリで行われている場合、過去のやり取りが残っていることがあります。
例えば
- LINE
- メッセージアプリ
- SNS
などです。
こうした記録が残っていないか確認しておくことも大切です。
相談内容を整理しておく
各相談機関に相談する際には、次の内容を整理しておくと状況を伝えやすくなります。
- いじめの内容
- いつ頃から続いているか
- 学校へ相談した経緯
- 現在の状況
こうした情報をまとめておくことで、相談時の説明がスムーズになることがあります。
いじめの証拠は早めに記録することが大切
いじめ問題では、後から状況を説明する必要が出てくることもあります。
そのため、繰り返しになりますが
- 日記やメモ
- SNSの記録
- 写真
- 音声
など、できる範囲で記録を残しておくことが重要です。
また、学校だけで解決が難しい場合には
- 教育委員会
- 相談窓口
- 公的機関
などへ相談することも検討できます。
いじめの問題は一人で抱え込まず、状況に応じて相談先を利用することが大切です。
いじめの証拠を残すときにやってはいけないこと
いじめの証拠を残すことは重要ですが、方法によってはトラブルになる可能性もあります。
証拠を記録する際は、次の点に注意することが大切です。
無理に証拠を集めようとしない
証拠を集めようとして、危険な行動を取ることは避ける必要があります。
例えば
- 相手を刺激する行動
- 無理に会話を録音しようとする
- トラブルを大きくする行動(自演)
などです。
いじめの状況によっては安全を最優先に考えることが大切ですので、証拠を無理に集めるのではなく子どもの状況を見ながら証拠を集めるかどうかを判断するようにしましょう。
感情的に対応しない
いじめを受けている状況では、強い怒りや不安を感じることもあります。
しかし、感情的に対応してしまうとトラブルが大きくなったり、状況が複雑になる可能性があります。
まずは状況を整理し、冷静に記録を残すことが大切です。
SNSに公開しない
証拠として残した内容を、SNSに投稿することは慎重に判断する必要があります。
例えば
- 相手の名前を公開する
- トラブルの内容を広く発信する
といった行動は、新たなトラブルにつながる可能性があります。
証拠として残した資料は、学校や相談機関へ説明するための資料として整理しておくことが大切です。
一人で抱え込まない
いじめの問題は、本人や家族だけで解決しようとすると大きな負担になることがあります。
状況によっては
- 学校
- 教育委員会
- 相談窓口
- 弁護士・行政書士などの法律家
などへ相談することも検討することが大切です。
いじめ問題は記録を残し、適切な相談先を利用することが大切
いじめ問題では、状況を説明できる記録を残しておくことが重要です。
例えば
- 日記やメモ
- SNSのスクリーンショット
- 写真や動画
- 音声の記録
- 医療機関の診断書
などが、状況を整理する資料として役立つ場合があります。
また、学校への相談だけで解決が難しい場合には
- 教育委員会
- いじめ相談窓口
- 公的機関
- 弁護士や行政書士などの法律家
などへ相談する方法もあります。
いじめの問題は一人で抱え込まず、状況に応じて適切な相談先を利用することが大切です。